平方剰余の相互法則
今回は、平方剰余の相互法則と円分体論の関係を説明します。ポイントとなるのは、もう一つのガロア対応―高木・アルチン対応―とガウス和です。 平方剰余の相互法則 平方剰余の相互法則とは次の法則でした。 (平方剰余の相互法則) \(p,q\)を異なる2つの奇素数…
前回、平方剰余の相互法則についてご紹介しました。今回は、平方剰余の相互法則が、なぜ驚くべき結果なのか、その意味について考えてみたいと思います。 平方剰余の相互法則(その1) - 美的数学のすすめbiteki-math.hatenablog.com 前回も記載したとおり、…
さて、いよいよ平方剰余の相互法則です。平方剰余の相互法則は、オイラーにより予想されガウスが証明しました。ガウスは生涯にわたり7つの異なる証明を与えています。ガウスが初めて証明したのはガウス日誌によれば、1796年4月8日です。ガウスがある朝、目を…
前回は、平方剰余に関するオイラーの規準と第1補充法則について解説しました。 今回は第2補充法則です。第2補充法則を円分体論の中で理解します。このように考えると、実は、第1補充法則も円分体論の中で理解できることが分かります。 第2補充法則 \(p\)を2…
最終行の赤字部分を修正しました。2015/6/4 前回まで、円分多項式\(\Phi_{q}\)の\(\bmod{p}\)での因数分解の法則が、\(p\)の\(\bmod{q}\)での位数と関連するというお話をしました。つまり、円分多項式の因数分解の法則は、modが入れ替わってしまいます。 こ…