美的数学のすすめ

初等整数論のうち、平方剰余の相互法則の意味を当面の目標としたいと思います。ゆくゆくは、ガウス和、円分体論まで到達したいです。

ユークリッド(Euclid)の互除法

Fermat(フェルマー)以前に発見されていた整数論の定理で、使用頻度の高い定理ベスト2は、①ユークリッドの互除法と②中国剰余定理との2つだと思います。そのうち、今回は、ユークリッドの互除法について解説します。 ユークリッドの互除法は、最大公約数を簡…

原始根の存在定理(その2)

前回に引き続き、原始根の存在定理が成立するもう一つの類型について解説します。 \(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}\)の原始根とは、\(p-1\)乗してはじめて\(1\)になる\(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}\)の元のことをいいました。そして、原始根が存在することと、\((\math…

原始根の存在定理-剰余類の基本的な性質(その3)

今回は、剰余類(素数の場合)の基本的な性質の第3弾として、原始根の存在定理をご紹介します。 第1弾は、\(p\)を素数とする場合、\(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}\)が体になること。(なお、体とは、可換(掛け算が交換可能)で、0以外の元による割り算ができるも…

Eulerのファイ函数(その2)

\(n\)以下の自然数で\(n\)と互いに素なものの数を\(\varphi(n)\)と書き、オイラーのファイ函数といいました。 Eulerの\(\varphi\)函数が、なぜこのように定義されたのか、どんな場面で役に立つのかについては、下記をご覧ください。 Eulerのファイ函数 - 美…

Eulerのファイ函数

剰余類の基本的な性質を説明する上で必要になりますので、今日は、Euler(オイラー)の\(\varphi\)函数(ファイ函数)のご説明をします。 1 オイラーの\(\varphi\)函数の定義 \(n\)以下の自然数で\(n\)と互いに素なものの数を\(\varphi(n)\)と書き、オイラー…

Fermatの小定理-剰余類の基本的な性質(その2) 

これから、剰余類\( \mathbb{Z}/p\mathbb{Z} \)の基本的な性質をいくつか挙げていきます。 一つ目は、Fermatの小定理(Fermat’s little theorem)です。Fermat(フェルマー)は近代整数論の先駆者であり、Fermat(フェルマー)-Euler(オイラー)-Gauss(ガ…

剰余類の基本的な性質

初等整数論のうち、平方剰余の相互法則の意味を当面の目標としたいと思います。ゆくゆくは、ガウス和、円分体論まで行きたいです。 1.\(p\)で割った余りの集合(剰余類) \( p \) を素数とするとき、\( \mathbb{Z}/p\mathbb{Z} \)を整数を\( p\) で割った…